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魂フィーチャーズ Vol.1 ACT-1 AKIBA レポート


■ 日時:2010年2月6日/7日
■ 会場:ベルサール秋葉原1F
■ 主催:バンダイ コレクターズ事業部
■ 内容:ROBOT魂/S.H.フィギュアーツの新作発表・全商品展示

■ 10年2月08日登録/11日一部追記/14日一部追記


「魂フィーチャーズ」は、ハイターゲット向けトイを多数手掛けるバンダイコレクターズ事業部のコンテンツから、その時、熱い注目を集めているブランドに焦点を当て、「送り手」と「受け手」の魂をクロスオーバーさせる一大イベント!

その第1回にフィーチャーされたのはコレクタブル・アクションフィギュアとして急成長を遂げた「ROBOT魂」「S.H. フィギュアーツ」の2大ブランド!

今回は2月7、8日にACT-1として東京・秋葉原で、2月11日にACT-2として大阪で、二都市開催となりましたが、 午後に写真撮影が解禁となる8日の秋葉に行ってきました。

会場初公開となる最新アイテムを中心に、工夫を凝らしたディスプレイ、来場者が「触れる」、「参加できる」イベントなどエキサイティングな試みにあふれていました。



■ ROBOT魂 <SIDE MS>ガンダムRX-78-2ガンダム(平成style)


今回、アプローチの異なる3種類のロボ魂ガンダムが展示されていましたが、
この平成スタイルは、平成以降、特にこの<10年>で劇的に変化してきたガンダムの
機動兵器としてのスタイリングを“初代ガンダム”に投影したものだそうです。

要は、「ダブルオー」や「種」などで打ち出したコンセプトの延長線上に、再構築したモデルということでしょうか。

種ポーズ気味なので分かりにくいのですが、プロポーションはかなりマッシブ。
胸部の造形などから、ロボ魂ダブルオーのようなアスリート体型に見えます。

可動構造で言うと、肩は先日にレビューさせていただいたオーガンダムに似た構造。
肘は単軸関節に見えますが、アルケ―みたいにニュッと伸び出す二重軸を採用しているのかもしれません。

注目はEMIA以来のスリッパ式を捨て、足が前後二分割構成になっていること。
また、腰アーマーも分割可動式でダイナミックなポージングが可能になっているようです。


■ ROBOT魂 <SIDE MS>ガンダムRX-78-2ガンダム(modefied style)


モディファイド スタイル は 誕生から<30年>の間に進化してきた「ガンダム」のイメージを、
その流れを追って造形した、2010年版としての提案とのことです。

3種の中では最もオーソドックスで馴染み深いモデルに思えます。
まだモックアップ状態のようで、最終的にどんなモデルに仕上がるのか推測の域を出ませんが、
現状のシルエットを見る限り、MIAセカンドやEMIAに通じる安心を感じます。

ガンプラに始まりMIA、そしてROBOT魂などに連なっていった「トイ商品」としてのガンダムを集約して、
さらに昇華させていくといったイメージでしょうか。


■ ROBOT魂 <SIDE MS>ガンダムRX-78-2ガンダム(TV style)


TVアニメ本編で描かれていた細身でより人間的なシルエットの TVスタイル 。
平成スタイルを肉食系とすれば草食系ですが、むしろフェミニンさすら漂います。

今はほとんど見かけなくなりましたが、一昔前のアニメでは、このように極端に擬人化された
ロボットたちが、ブラウン管狭しと駆け回っていました。

ロボットとしてのリアリズムを追求していくと考えにくい、人間のようなしなやかなアクションを、
いかに与えるかでその存在が際立ってくるように思われます。

それにしても、ビームサーベルの細さは、刺さりそうなほど強烈。


■ ROBOT魂 <SIDE MS>ジム・スナイパーII(機動戦士ガンダム0080)


■ ROBOT魂 <SIDE MS>ジム・スナイパーII(機動戦士ガンダム外伝)


OVAや雑誌・コミックなどと連動して発展してきたガンダムMSV(MOBILE SUIT VARIATION)
カテゴリーより、人気の高いジム・スナイパーシリーズがピックアップ。

完成度はかなり高く、すぐにでもリリースできそうな感じでした。

マニアックなファンは居るのだろうけれど、個人的にはあまり思い入れがないので、
「ああ、こういうのもやるんだ」ってな感想ですね。

ジムのバリエーションが広がってくると、キリがないというか、経済的にさらに疲弊しそう。
でもきっと買っちゃうんだろうな。(笑)


■ ROBOT魂 <SIDE MS> ZGMS-X20A ストライクフリーダムガンダム


■ ROBOT魂 <SIDE MS> ZGMF-X42S デスティニーガンダム


 

ガンダムシード デスティニーより、後半の主役機・準主役機の2体。
(どっちがどっちだかは言いません)

プラモデルやアクションフィギュアなどから培った豊富なノウハウがあるためか、
細部に至るまでかなり詳細に作り込まれています。

ストフリは、今までの立体物と比べて、かなり細身、細部もシャープに仕上がっている印象です。

レールガンは、これまでの立体物ではギミックのせいか、かなり大柄になっていたのですが、
今回はかなり薄手に造形してあり、これなら素立ちでも腕がきれいに収まりそうです。

ライフルの連結、レールガンの展開、そしてドラグーンの分離など、ギミック的に押さえるべきところは
押さえてありそうで、期待が持てます。

デスティニーは、ストフリと共通するデザインラインながら、ウイングユニットの迫力ある造形のためか、
多少マッシブに感じられました。

もちろん、アロンダイトや長射程ビーム砲の展開、ビームブーメランの着脱などのギミックも一通り再現、
パルマフィオキーナ(掌ビーム)のディテールまで造形されており、こちらも洗練されています。

課題は、どちらも背負いモノが大きく自立できるかどうか。
印象としては到底ムリそうだったのですが、それならディスプレイスタンドに何らかの工夫はあるか。

両者とも、光の翼を持つ機体ですので、そのエフェクトパーツなども組み合わせて
斬新な提案があるか、期待したいところです。


■ ROBOT魂 <SIDE MS> ガンダムF91


逆シャアより30年後の世界を描いた「機動戦士ガンダムF91」より主役機のF91。
こちらも完成度が高く、残像Verまで用意されており、いつでも出荷できそう。

F91に登場するMSとして

・ ROBOT魂 <SIDE MS> F91 ハリソン・マディン機
・ ROBOT魂 <SIDE MS> XM-01 デナン・ゾン
・ ROBOT魂 <SIDE MS> XM-02 デナン・ゲー
・ ROBOT魂 <SIDE MS> バグ

などの展示がありました。
また、関連作品である「機動戦士クロスボーンガンダム」より

・ ROBOT魂 <SIDE MS> クロスボーンガンダムX-3
・ ROBOT魂 <SIDE MS> クロスボーンガンダム フルクロス
・ ROBOT魂 <SIDE MS> ゾンド・ゲー

などが展示されていました。


■ ROBOT魂 <SIDE MS>カプル & コレン専用カプル


何年もの間、黒歴史に葬られ、ROBOT魂により封印を解かれた「∀ガンダム」。
堰を切ったようにとめどなく多数のMSが展示されていました。

このカプルも今夏発売とのことで高い完成度。
コレン・ナンダー専用カプルは設定通り、赤く、象徴的なブレードアンテナを装備。
ミンチドリルやロケット“ウォドム”パンチも再現されています。

このほかターンAに登場するMSとして

・ ROBOT魂 <SIDE MS> ボルジャーノン
・ ROBOT魂 <SIDE MS> ウァッド
・ ROBOT魂 <SIDE MS> ウァッド(赤:ミリシャ仕様)
・ ROBOT魂 <SIDE MS> ターンエーガンダム 月光蝶Ver.

などの展示がありました。
カプルとウァッドは英断ですが、ぜひ、完全変形フラットとスモーもお願いします。


■ ROBOT魂 <SIDE MS> スタークジェガン



■ ROBOT魂 <SIDE MS> ギラ・ズール


発売間近となっているジェガンとギラ・ズールの量産型コンビ。
装備が豊富で楽しみです。

このほかガンダムUCに登場するMSとして

・ ROBOT魂 <SIDE MS> ユニコーンガンダム(デストロイモード)
・ ROBOT魂 <SIDE MS> ジェガン(D型)

などの展示がありました。
シナンジュとかクシャトリヤとかはありませんでした。


■ ROBOT魂 <SIDE MS> リボーンズキャノン/リボーンズガンダム


ポージングが投げやりでちょっとガッカリですが、こちらも良くできていると思います。
表裏変形も破綻なく再現できるように思われます。


■ ROBOT魂 <SIDE MS> ケルディムガンダムサーガ


公式外伝三作品の中の一つ・ガンダムダブルオー00Vに登場するケルディムの特殊装備。
セブンソードがあれだけ当たりましたから、かなりの確度で市販化されるものと思われます。


■ ROBOT魂 ROBOT魂 <SIDE AS> M9D ファルケ


こちらもモロ市販品。
塗装のせいか、かなり引き締まって見え、質感も高く感じました。
間違いなく買いです!

このほかフルメタ関連では

・ ROBOT魂 <SIDE AS> コダール
・ ROBOT魂 <SIDE AS> 緊急展開ブースター(魂WEB限定)
・ ROBOT魂 <SIDE AS> M9ガンーズバック インド洋戦隊 砂漠塗装Ver.(誌上限定)

などが展示されていました。


■ ROBOT魂 <SIDE KMF> ヴィンセント


時を止めて潜んでいたのか、やっとお目見えのヴィンセント
金と赤のコントラストが美しい仕上がり。
背部にはフロートではなく飛翔滑走翼が装着されていました。


このほかKMF関連では

・ ROBOT魂 <SIDE KMF>ランスロット・クラブ
・ ROBOT魂 <SIDE KMF>可翔翼(魂WEB限定)

などが展示されていました。 ギアス系も一段落ということでしょうか。


■ ROBOT魂 <SIDE VF> アーマードメサイアバルキリー(オズマ・リー機)


個人的には既定路線と思っていたオズマ機アーマードパック装備。
重量感満点、各ハッチも差し替えなしでオープン可能なようです。

このほかマクロス関連では

・ DX超合金 ケーニッヒモンスター  が展示されてました。

同スケールでこれやるんだったら、クラン入りクアドランも(ry. 。


■ ROBOT魂 <SIDE HL> ゼーガペイン アルティール


今回、個人的注目度第2位のゼーガペイン アルティール!!
これが最終型とは思いませんが、現時点で感じたことをいくつか。

プロポーションは華奢かなあ、とは思いますが、総じてバランス良く造形されています。
難点としては胸部(コクピット)が少しボリューム感に欠ける感じでしょうか。

独特な光装甲の素材は、クリアパーツの上から半透明の塗料を塗ったように見えます。
ここは本編でボ〜ッと発光していた印象的な部分なので、クリアグリーンなど素材色のみの無塗装、
あるいはもうちょっと発色の良い塗料を選んだほうがイメージに合うのではないでしょうか。

装備では、ホロニックシールドはもっと曲面的に、ウイングやランチャーなどはもうちょっと
シャープで薄い方が好ましく思われます。

あと、グーパンチは必ずお願いします!(笑)

ギミック的には1/72プラモが再現したような光装甲の着脱、
プラモではありませんでしたがコクピットの開閉など、ぜひ、実現して欲しいのですが、
点灯ギミックと併せて、これはDX超合金か魂スぺ化あたりに期待すべきでしょうか。

かなり注文がうるさいですが、それだけ期待も大きいということでご容赦ください。


■ 初回生産限定封入特典 カミナギ・リョーコ ミニフィグ


微妙に得ロいと評判のパイロットスーツ!
必!予約です!!

コアトリクエ発売の暁には、シズノ先輩を、ぜひ!


■ ROBOT魂 <SIDE HL> アンチゼーガ コアトリクエ

これまた独特の発光が印象的でハードルの高い機体に思います。

ガルダやゼーガタンクを飛び越して、いきなり量子テレポートしてしまう発展性には
もう慣れつつありますが(笑)どんな風に再現されるのか非常に楽しみです。


■ S.H.Figuarts 仮面ライダーディケイド 激情態 & マシンディケイダー


ついに来ました、フィギュアーツ専用マシン!!
バイクなどの乗り物があると、フィギュアシーンも俄然盛り上がりますね!

試作の段階だと思われますが、タイヤ、ディスクブレーキ、エンジンなど
かなり緻密に作られており好印象。

たぶん、市販時にはマーカー類にクリアパーツ等使われると思いますが、
そうなればクオリティは文句なし。

タイヤにゴム素材が用いられ、サスペンションギミックを奢れば万全に思われます。

どのようなチャンネルで販売されるのか分かりませんが、
いずれにしろ大人が満足できるモデルに仕上げて欲しいです。


■ マシンハードボイルダー タービュラーユニット
 

車体後部をハーフチェンジできる仮面ライダーWの万能マシン・ハードボイルダーも展示。
タービュラーユニットは特にヤッツケっぽい仕上がりでしたが、市販化に期待したいと思います。

この他に、通常モードとスタートダッシュモードが展示してありました。
換装できるといいですが、予算を想像すると驚愕。


■ S.H.Figuarts 仮面ライダーライジングイクサ


何とかの年を数えるようで忍びないんですけれど、立体物のディテールを眺めるに
つくづく、イクサは装着変身との相性がよいな、と思ってしまいました。

中の顔は、名護さんと音也で差し替え可能とか、妄想が勝手に広がっていきます。
(あ、こっちは音也入ってないか)

もちろんこのアーツも惚れ惚れするほどカッコよかったですよ。


■ S.H.Figuarts 仮面ライダーダブル ファングジョーカー & 仮面ライダーアクセル


まさに今が旬のファングジョーカーとアクセル。
こちらも、いつでもリリースオーケーといった感じでした。

アクセルの光沢ボディがまぶしい!


■ 強化外骨格震


初出ではないらしいですが、デデ〜ン!!
ボルト殿の強化外骨格・震が仁王立ちしてました。

質感や造形は、先に発売された強化外骨格零に似た雰囲気ですが、
この段階ではほとんど可動パーツは組み込まれておらず、
スタチューというか、ジャンボマシンダー的に佇んでいました。



発売間近の散様と比べると、この通り。

通販で買うとしたら、運賃がネックになりそうです。
っていうか散様の仕上がり、最高でした!


■ S.H.Figuarts キュアピーチ & キュアパイン


■ S.H.Figuarts キュアベリー & キュアパッション


先ごろ大団円を迎えたフレッシュプリキュアの4人組。
首の構造は相変わらずですが、コスチュームなど細部に
いろいろと工夫が試みられています。

かなり表現が豊かになってきましたが、何かが足りない気が・・・。


■ S.H.Figuarts キュアブラック & キュアホワイト


元祖プリキュアのこのお二方もお目見え!

こちらはコスチュームに加え、
表情も ―差し替えありでしょうか?― 頑張っているようです。

今回はアンケートにすら入っていませんでしたが、
やっぱり、最終的にはセラムンとかいくんでしょうね。


■ ウルトラアクト ウルトラマン


で、今回のサプライズ、個人的注目度NO.1はこの「ウルトラアクト ウルトラマン」でした!

自在に動くミディアムサイズのウルトラマンは夢の夢のまた夢でしたから。(笑)

おそらく聖闘士聖衣神話や魂SPECで実績のある可動素体がベースになっていると思われます。

スぺシウム光線や八つ裂き輪のエフェクトパーツも付属し、カラータイマーも差し替え可能みたいです。

独特の飛行ポーズも差し替えなしで再現できるようでした。

商品か希望アンケートのアーツ部門で、セブンやティガも入っていましたが、
このサイズならば、ソフビ怪獣と絡ませることができるのが最大のポイントではないでしょうか。





【評 というか感想】

帰宅してパソコンを開くと、同じ日に幕張メッセで開催された「ワンダーフェスティバル 2010[冬]」において、これまた一大ブランドとなった「figma 」から「仮面ライダードラゴンナイト」が発表されたとの記事を目にしました。

ご存じのようにドラゴンナイトは仮面ライダー龍騎の海外版ですが、スーツなどの意匠は特に変わりなく、もしフィグマ版ドラゴンナイトを手にとって見せ、龍騎だよ、と言ってもまったく違和感はないでしょう。

ライダー=バンダイを普遍絶対の公式として疑うことすらなかった私にとって、他メーカーの正規コンペ的ライダーフィギュアが手に入ることはかなり衝撃的です。

そればかりか、ハイブリッド構造(可動素体と軟質スーツを部分的に組み合わせるもののように見えますが)という目を惹くオリジナルコンセプトも打ち出されており、ある側面では本家を凌駕してしまう可能性すら秘めています。

この場合は海外版モノの版権だからこそ迂回し得たものとして、トイビジネスにおいてもグローバル化の波を感じずにはいられませんが、こうした同一キャラをメーカーごとに別アプローチで商品化していくという傾向は、すでに萌え系フィギュアでは一般化しており、いくつかの燃え系アクションフィギュアでも確認できます。

ビッグネームの一つである「ライダー」が崩れたということは、いつか遠くない将来、このようなことは「ガンダム」においても起こり得ることでしょう。

今回、ガンダムの原点たる“RX-78”が異なる3種類のROBOT魂を持って提案されたということは、想定し得る現実に対する布石なのかもしれません。

そのような観点から考えると、従来の一方向発信型キャラクタービジネスの枠を飛び出し、双方向リアルタイムで「受け手」だけでなく「送り手」側の満足度すら相乗的に高めていく「魂フィーチャーズ」の試みは、その一歩先のビジョン示したことで評価できると思います。

特に、事前アンケートによりノミネートされたキャラクター群から、さらに会場内での投票を実施し、商品化を決定するという『商品化希望リアルタイムアンケート』は、時代が求める「ニューヒーロー」を受け手と送り手の総意として世に出すという意味で、画期的でした。

ロックマンやグレンラガンがノミネートされ、ガオガイガーに至っては上位をうかがう結果を残したことは象徴的です。

恥ずかしながら手ブレで見るに堪えないので載せておりませんが、ワンピース・ルフィのアクションフィギュアが展示されてたのも印象的でした。

今後、既存の魅力あるキャラを核に、ブランド間での競争と融和が行われていく一方、「ライダー」、「ガンダム」、「ウルトラマン」とは別のヒーローがフィーチャーされていくのではないかと、願望を持って言ってみる。

また、超合金魂版 “勇者シリーズ”とかトランスフォーマー版 “スーパー戦隊ロボ”、リボルテック版“ウルトラマン”などがクロスオーバーして競い合いながら発展していく様を想像するに、これはものすごいことになってきたぞ、という認識を新たにしたのです。