TOP  


VF HI-METAL VF-19改 ファイヤーバルキリー レビュー


■ 発売元:バンダイ
■ サンプル品
■ サイズ:全高約15センチ(バトロイド時頭頂高)
■ 10年1月23日登録

「俺の歌を聴けェ!!」
魂の叫びを銀河に轟かせたマクロス7の主役機・VF-19改 ファイヤーバルキリーが新生VF HI-METAL シリーズよりテイク・オフ!!

今回はバンダイ魂WEBによる企画
緊急企画「VF HI-METAL VF-19改 ファイヤーバルキリー」試遊ブロガー募集キャンペーン に幸運にも当選させていただきました、そのサンプル品レビューです!


ファイヤーバルキリー ファイターモード


■ FRONT


■ REAR

情熱的な真紅の機体に鋭く突き出た前進翼が印象的なファイターモード。

外装は基本的にABS素材製で、力強く伸びやか、かつシャープなシルエットを再現。

配色はメインカラーの赤はほとんど成形色、その上から艶消しの黄と茶が吹かれています。
各パネルにはスジ彫りが刻まれており、そのごく一部にのみスミ入れが施されています。



クリアパーツ製のキャノピーの中には、熱気バサラのフィギュアが搭乗!
かなり簡略化されていますが、ギター型のインターフェイスも何とか確認できます。





角度によって様々なシルエットを見せるファイヤーバルキリー。
変形部分のパネルのつなぎ合わせも良好で一体感があります。

魂STAGEと組み合わせてファイターモード専用のディスプレイスタンドを構築できるクリアパーツ製のジョイントが付属します。
できれば角度調節機能が、また、ガウォーク&バトロイド用のジョイントも欲しかったですね。


■ SIDE & BOTTOM


厚みを抑えら切れない可変バルキリーが多い中、真横から見てもほとんど破綻なくまとまったサイドビューはさすがの一言!

底面からの眺めは、後部の隙間こそちょっと気になりますが、しっかり整頓されていると思います。

尚、ガンポッドのマウント、ランディングギアのギミック等はオミット。
せっかくプロポーションをこれだけ巧みにまとめたのに、残念としかいいようがありません。




ファイター → ガウォーク 変形シークエンス


@ ジョイントを外して主翼とメインエンジンを離し、
肩アーマーを跳ね上げます。
B メインノズルを後方に引き出し、上下に開きます。
この時、尾翼もたたんでおきます。
B 本体と、ガウォーク・バトロイド時に脚になる部分のジョイントを
外し、エアインテーク後方の軸で折り返します。
G 主翼と肩アーマーをもとの位置に戻して、両脚のみ下した状態。

この形態で活躍したのか・・・あまり覚えていませんね。
G 再び肩アーマーを跳ね上げ、シールドの下で左右に割り腕を形成します。

写真は割愛しますが、この後、腕の先のカバーを外し、ガウォーク・バトロイド用の手に差し替えます。




B キャノピー後方のパネルを外し、顔を引き出してアンテナパーツを取り付け、再度、元の位置に戻してパネルで覆います。

この後、キャノピーの後方モジュールごと上にずらすように持ち上げます。
ファイヤーバルキリー ガウォーク モード


■ FRONT


■ REAR

ご存じファイターとバトロイドの中間形態。

脚の各関節が適切な保持力を持っており、また、爪先等にダイキャストパーツが使われていることから抜群の安定感を発揮しています!





腿の付け根に回転軸があり、いわゆるハの字立ちも無難にこなします。

キャノピー内部の作り込みから得られる絶妙なリアリティは、
このガウォークでこそ際立つように思います。



ガウォーク → バトロイド 変形シークエンス


@ コクピット下のパネルを開き、機種部分を折り曲げ、コクピットモジュールを前に倒したあと後方にスライドさせます。
A キャノピー後方のモジュールをスライドさせ、パネルを再度取り外し、頭部を引き起こします。
B主翼を折りたたみ、両脚を伸ばします。
C 腰アーマーを持ち上げるようにして被せ、この後、脚を付け根ごと上方にスライドさせます。




D 胸部と機首部分をダイナミックに組み合わせ、パネルを機首下に支えるようにセットします。

顔を正面に回し、両サイドにアンテナパーツを取り付け、変形完了!


ファイヤーバルキリー バトロイド モード


■ FRONT & REAR

口のあるデザインが物議を醸したVF-19改のバトロイド形態。

設定画はかなりマッシブに描かれており、それに比べると相当スレンダーに見えますが、実物を手に取ってみると案外気になりません。

脚の付け根ブロックごと上方にスライドさせて胴の寸を詰めており、これがかなり効果的に思われます。


■ BUST UP

特筆すべきは胸部分の合わせ。
機首部分は上下のパーツにより隙間なくスッポリと挟まれており、確実な一体感があります。

また、頭部の塗り分けはも秀逸。
ゴーグル周りから口元に至るまで丁寧に仕上がっています。

昔持っていた1/65はバイザーのイナズマやアンテナのストライプがシールで、もちろん上手に貼れてなかったものですから、感慨もひとしおです。

ボディの配色も、凝視すると黄色にちょっとムラっ気が見えるくらいで、無難に仕上がっていると思います。


■ フェイスガード

マスクごと差し替え式でフェイスガードに覆われた状態を再現できます。
ディテールは秀逸で、カッコいいです。


■ OPTION HANDS

基本平手のみで、なんと拳骨は用意されていません。
右手にはランチャーポッド用の握り手が付きます。



リボルテック三段変形バルキリーVF-1Sと2ショット。
以前のバトロイド固定版から比べて、VF-1もかなりサイズアップされていますが、ファイヤーバルキリーはさらに一回り大きい仕様。

同じバルキリーの三段変形アイテムでもそれぞれの作風が現れており、趣深いですね。


■ ランチャーポッド

ファイヤーバルキリーの主兵装?
相手の機体にくっついて“歌”を叩き込むスピーカーポッドを射出します。
ギミック等は特にありませんが、造形にはよくできていると思います。


■ プロポーションアップパーツ

太腿裏からフクラハギにかけて、変形の都合で貧弱になってしまって
いる部分に取り付けることにより、脚のラインを補完します。

実感として、小さく扱いづらいよ〜な・・・。



ACTION


首は一応ボールジョイントですが、上下に多少揺れるだけで、
ほぼ左右360度回転のみと割り切った方がようさそうです。
肩は変形機構の都合で後方に開く動作が可能。
また、肩アーマーは上方に展開できます。
腕は横方向に画像の位置くらいまで上げることができます。
肘は約90度ほど曲がります。
股関節の開脚は画像程度であまり動きません。
膝関節上に回転軸あり。
膝は約90度ほど曲がります。
足首はファイター時のノズル部分ですので、もちろん開閉が可能。
付け根がボールジョイントになっていますが、接地の際の微調整が可能なレベル。



POSE

















■ パーツ一覧(ファイター時余剰パーツ)

オプションハンド×3/アンテナパーツ(センター用)/アンテナパーツ(サイド用×2)/差し替え用フェイス(クローズ状態)/プロポーションアップパーツ×6/ランチャーポッド/ディスプレイジョイント




【評】
試供品をいただいておいて大変申し訳ありませんが、すべての項目で中途半端な印象です。
変形、プロポーション、アクションともにすべて80点以上ですが、尖がったところがない。

ファイターのプロポーションは、コンパクトながらも流麗かつ過激なファイヤーバルキリーのイメージをダイナミックに伝えており、今までのいわゆる“エクスカリバー”系立体物の中でも最良の部類に入ると思われます。

しかし、キャノピーとパイロットこそ作り込まれているものの、こうしたモデルではキモとされるランディングギアやガンポッド接続等のギミックを備えておらず、VFフリークの心はきっと捉えきれない。

ガウォークも、確実な関節保持と金属パーツ使用によるバランスの最適化により、安定した「ハの字立ち」を実現している点で好印象ですが、頭部カバーの脱着、手首カバーの取り外しなど、細かくナーバスな変形過程を経なければなりません。

変形については至バトロイドも同様で、さらに脚部は(好みにもよりますが)小さなディテールアップパーツをいくつも取り付けなければなりません。

これをある程度仕方ないと理解を示す向きも多いかもしれませんが、スタイリングを維持しつつ余剰物を一切発生させないトランスフォーマーのような完全変形クォリティがごく一般的である当世にあり、かつマクロス7・オンエア当時のDXモデルでは難多しと言えどすでに完全変形を実現していたという点について、再考の余地があると思います。

前身である VF100's が個々のプロポーション、特にファイター形態が優秀な評価を受けたにも関わらず、大きな成功を収められなかった最も大きな要因は、変形が複雑で手間がかかりすぎることだったのではないでしょうか。

それは「完全変形」ならぬ「完全差し替え」ともいうべき、部品点数の多さに起因していたように思われます。

このVF HI-METALでは格段に整理されているものの、それでも昨今の変形モデルに比して煩わしさは残ってしまうのです。

個人的な見解として、腿裏のディテールアップパーツに関してはいっそ省いてもよく、その代わりに本体を含めてアンテナパーツなど5分割構成となっている頭部を、ファイター用ダミー、オープンフェイス、クローズフェイスの3つによる完全差し替え式、に集約すれば更にサッパリして良かったのではないかと思われます。

その上で、上述したファイター時のギミックを付加するか検討いただければいかがでしょうか。

かなり辛口になってしまいましたが、正直、ミドルサイズの完全変形(に近い)バルキリーが手に取れることを本当に喜んでいます。

VF100's は本当に残念でしたが、その当初コンセプトは確実に引き継ぎつつ、格段の進歩が見られます。

上記の点を踏まえても仕上がりは上出来に思いますので、興味をお持ちになった方はぜひ購入してその進化をお確かめください。

バルキリーにはVF-1から最新のVF-25まで魅力的な機体が綺羅星のごとく多く、ぜひこのVF HI-METAL は頑張って欲しい、ぜひとも存続して欲しいと切に願う次第です。