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figma(フィグマ) 仮面ライダードラゴンナイト レビュー
■ 発売元:マックスファクトリー
■ 価格:3,200円 (本体のみ税込)
■ サイズ:全高約14.0センチ(頭頂高)

■ 10年12月16日登録

「どうしたらこんな傑作が生まれるのだろう」(N.T Times誌)

「本当の勇気とは何かを問いかけてくる」(People誌)

全米もお杉も大絶賛のアメリカ製仮面ライダー“仮面ライダードラゴンナイト”より、
主役のドラゴンナイトが figma となって登場です!


【注】 装備・武器などの名称は、わかりやすく説明するため、ここではオリジナル作品である
“ 仮面ライダー龍騎 ”から引用しています。



■ FRONT & REAR
真っ赤なスーツを鉄の鎧で覆った仮面ライダードラゴンナイトが figma 素体により再現!

肩周りや体幹部分に軟質素材を用いることにより、関節部分の目立たない自然なプロポーションと、
より実写スーツに近い質感とを実現しています。

スーツの発色の良い鮮やかな赤と、アーマーのマット調の武骨な黒のコントラストが、
その存在感を際立たせています。


R&M龍騎(左)、装着変身シザース(右)と3ショット!

プロポーションと関節(特に胴、股関節以下)の処理技法の進化に注目です。


『今度はS字立ちの世界か・・』

S.H.フィギュアーツとしては標準身長に近いディケイド(激情態)と2ショット!
それでも若干ディケイドの方が大きいですが、並べて遊べる範囲内に思います。



■ BUST UP

胸アーマーが若干コンパクトな印象ですが、スマートにまとまっています。
格子の内側に覗く眼は、クリアパーツではないものの、一段ずつ丁寧に塗り分けられています。

ハミ出しやズレもわずかに見られますが、個人的には許容できる範囲内ですね。





■ Vバックル

いわゆる変身ベルトにあたり、龍の紋章等は綺麗に塗装されています。
本編でギュルルル〜ンと高速回転していたカードデッキは取り外しできません。

カードの裏が露出している部分は、カードと同じく青ベタで統一されています。


■ ドラグバイザー

カードを装填することにより、武器を召喚したり特殊効果を発動する器具。
スライドギミックはありませんが、造形、塗装ともによくできています。

グリップ部は軟質素材製で、握らせたまま手首の動きに追従します。


■ ジペッドスレッド
ドラゴンナイト(=龍騎)スーツの大きな特徴の一つであるジペッドスレッドには
内側にモールドが施されており、武具の装着機能はありません。


■ アドベントカード
ファイナルベント絵柄のプラ製アドベントカードは専用手首で持たせることができます。
金で綺麗に整えられており、裏は青ベタ仕上げです。


■ ドラグセイバー
ドラグレッダーの尻尾を模した青龍刀型の剣。
プラ製で曲がりなく、刀身の模様や鞘の紋章も丁寧な仕上がり。




■ ドラグシールド

ドラグレッダーの腹と爪を象った盾が2枚付属。
爪の付け根は可動しません。


ジペッドスレッドは使用せず、腕はジョイントパーツを装着、
肩はアーマーごと交換します。

腕は接続が硬く、逆に肩は力をかけて動かすとハズレがちになります。


内側に2か所のダボが開いており、肩、腕の接続に対応します。

非常に扱いづらく、やはりR&Mのようにジペッドスレッド接続+取っ手付きというのがベストではないでしょうか。

肩のジぺスレは他のライダーではあまり使わないので、こういう構造にしたのはかなりリスクがあるように思われ。


■ ドラグクロー

ストライクベントを発射するドラグレッダーの頭を模した装備。
肘関節より先をそのまま交換し、顎は開閉可能となっています。




■ OPTION HANDS <RIGHT>

拳骨(デフォ)/カード用握り手/武器用握り手/平手×2


■ OPTION HANDS <LEFT>

拳骨(デフォ)/ドラグバイザー用握り手/武器用握り手/平手×2 





ACTION

頭部は串刺し団子状にボールジョイントが上に乗ったfigma関節接続。

首は固定ですがたいへん広い可動域を持っています。


肩周りの黒い部分は軟質素材で、胸部プロテクターと別パーツ化されており、肩の動きに自然にフィットします。
肩はfigma関節で地面と水平まで外に開きます。

肘もfigma関節で約120度、上腕付け根に回転軸あり。

手首は軸接続で回転、ヒンジで前後に返せます。
腹は内部にfigma関節が仕込まれており、前後左右に広く可動。

スーツは軟質素材で動きを柔軟に再現します。
腰回りにも軟質素材が使われ、シームレスなイメージを再現。

腿を前に上げた時、若干へこんで、全体のシルエットが崩れることが難点か。

スーツの反発力は、思い切り曲げても即座に押し返すようなことはありませんが、数分経つと少し戻す感覚があります。
股関節はボールジョイントで、左右開脚は約120度くらい。

腿の軸で外側に捻ればもう少しイケそうですが、自然なのはこの位だと思います。

膝はfigma関節で約160度曲がりますが、膝頭のジペスレが下を向いてしまい、関節がまるっと露出してしまうことに若干違和感があります。
足首はfigma関節内蔵で必要十分な可動域と保持力を確保。
爪先にも関節があればベストでした。

継ぎ目のカット形状は絶妙で、あまり目立たないように処理されています。




【 参考 】 R&M ライドシューター






バンダイ R&Mシリーズのライドシューターに乗せることができます。

R&M龍騎と身長差があり、窮屈になりますが、ライディングポジションはご覧の通り。
尻のラインが崩れるので乗り物は苦手か。
キャノピーを被せてもヘッドクリアランスはかなり余裕があります。





ギャラリー



































■ パーツ一覧

オプションハンド(デフォ拳骨含む ×10)/ ドラグバイザー無し左腕 / ドラグセイバー / ドラグクロー / ドラグシールド(×2)/ シールド接続パーツ(肩用×2、腕用×2) / アドベントカード 


【コメント】

バンダイ社以外の本格ライダーアクションフィギュアということで注目を集めた“figma 仮面ライダードラゴンナイト”ですが、期待にたがわぬ、いやそれを大きく上回る仕上がりでした。

洗練されたポージングと緻密なディテールで情感に訴える固定フィギュアに可動を与えていく “ figma”ですが、遊んで楽しいソフビやプラモの概念をより精巧に進化させ続ける“ S.H.フィギュアーツ”との違いは、軟質素材であしらわれた体幹部に、最も顕著に表れています。

可動フレームを布や軟質スーツで覆うという手法は古くからあり、12インチアクションフィギュアでは主流ですが、より質の高い素材と加工が要求されるであろう10センチ級のコレクションフィギュアで破綻なくまとめたということに、大きな意義があると思います。

この手法には、不自然な分割線や関節などが少なく、より人体に近い動きを可能とし、何よりも実存の撮影用スーツに近いという長所があります。

これは創設以来、よりリアルな質感を持つ おパンツ 衣服を標榜し続けた“ figma ”シリーズならではの賜物でしょう。

レビュー内に記したように、スーツには大きな動きに伴ってどこかに不自然な歪みが出る、多少の反発力がある、また、経年劣化など未知数の部分もありますが、たいていのアクションポーズもよりナチュラルにキめることができ、これらの短所は充分に補われている印象を持ちました。

今後、13ライダーズとはいかなくとも、リペイントでできるオニキスと、やはりセイレーンを発売して、これぞ女性フィギュアというのを示して欲しい。

ただ、ライダーフィギュアの魅力は、既にフィギュア単体と付属品の出来だけでは測りにくい局面に入って久しく、ドラゴンナイト(龍騎)の場合、やはり契約モンスターの存在が大きなポジションを占めると思います。

何らかの形でモンスターを発売することがベストですが、いろいろ難しい事情もあることでしょう。

そこで提案として、専用バイクであるドラゴンサイクルとウイングサイクルを ex:ride(エクスライド)として立体化するのはいかがでしょうか?

デザインはさておき、“ドラゴンナイト”のみに登場する数少ないキャラクターであり、“ドラゴンナイト”のもっとも際立ったポイントのように思われます。

その意味ではゼイビアックスも、ぜひ figma 化して欲しいですね。