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トランスフォーマー アニメイテッド ロックダウン(海外版)レビュー

■ 発売元:ハズブロ
■ 価格:2,500円 (本体のみ税込)
■ サイズ:全高約20センチ(ロボットモード時頭頂高)

■ 10年3月11日登録

ディセプティコンにバウンティハンターとして雇われながら、襲った相手の武器を奪って自らを改造していくという魅惑的な設定の新キャラクター、ロックダウン!!

ビークル、ロボット両モードを通じてのイカれたスタイルが人気を呼び、アニメイテッド枠にとどまらず、実写リベンジ版キャラとしてもトイ化される運びとなりましたそうな。



アニメイテッド ロックダウン ビークルモード





ロックダウンのビークルモードは漆黒のマッスルカー。

コルベット・スティングレーをベースに、ボンネットを突き破ってそそり立つスーパーチャージャーや、両サイドからアバラ骨のように這い出した3連マフラーなど、マッドマックスに登場するV8インターセプター風の改造が施された車両のようです。

配色は、成形色の黒(艶消し)をメインに、アクセントストライプはイエローグリーンで、ホイールやルーフのスパイクやスポイラーは銀で塗装されています。

もちろん転がし走行も可能。


■ FRONT & REAR

ウィンドウ周りとヘッドランプ、テールランプは血走った眼を連想させる赤紫のクリアパーツ。
地を噛み砕くだくかのようなチンスポイラーの禍々しさと相俟って、暴力的で残忍なイメージを前面に押し出しています。

愛らしくデフォルメされたアニメイテッドキャラでありながらも、狂気をはらんだそのシルエットは、あのチャッキー人形にも通じるものがある?


■ PARTS

ルーフにはディセプティコンマークが、金であしらってあります。
そして赤紫のウインドウ越しには、不敵にそっくり返ったロックダウンのアゴが・・・。

このあたりは、狙ったものでないとしてもそれらしいの演出ですね。



ビークルモードではギミックらしいものはありませんが、 かぎ爪を引き出して牽引フックのように見立てることができます。



■ SIDE & BOTTOM
 

新型バットモービルといわれても、ほとんど違和感のない端正なサイドビュー(上)。
やり過ぎと思えるほどの前後タイヤの比ですが、それ以外はけっこう手堅くまとめられているように思います。

ところで以下に記しますが、アニメイテッドロックダウンはトランスフォームすると、驚異的にタッパの高いロボットモードへと変貌します。
整然とした底面(下)ですが、ボディの前後長を、脚の長さにフルに使っている構造が窺えます。



アニメイテッド ロックダウン トランスフォーム


@ キャビンを中心にボディの両サイドを縦に分割し、ボンネット部をエンジンルームごと上に引き起こします。

リアスポイラーの付け根あたりに大きなジョイントが二つありますので、それを横方向に外すのをキッカケにすると良いと思います。
A 前輪を軸に車体後部を持ち上げ、そこから後方にスライドさせます。 (左右ともに行います)
B スライドさせた部分を軸に上方に一度折り曲げ、スライドさせてできたスペースに反転させたフロントノーズを押し込んでから元に戻します。

同時にテールエンドを下方に反転させます。 (左右ともに行います)
C 前輪を軸にボディの両サイドを前方に展開して、両脚にします。
D ルーフエンドのジョイントを外し、車体後部を左右に割り、内側から手首を引き起こして、腕を形成します。


E キャビン下の軸で腕を下ろし、内側に入っていた肩アーマーを下げて、肘のボールジョイントで下腕を反転させます。
F 腰となったフロントウインドウ下方部分を軸にフロントキャビンを反転させます。


G 胸パネルを開いて、頭部を引き起こし、再びパネルを閉じます。


H 腰の後ろからボンネット中央部を取り外し、先端から鍵爪を引き出して武器ユニットを形成。

上部パーツを反転させ、腕に取り付けると連動ギミックでEMP発振器が展開します。

※一連の手順は個人的なものです。
パーツの破損を避けるため、無理な負荷が掛からないように考慮はしておりますが、実際に変形させる際は付属の「取扱説明書」に従っていただけるようお願いします。



アニメイテッド ロックダウン ロボットモード


■ FRONT & REAR
ロボットモードは長身のバイオレンスキャラ。
DXクラスながら全高約20センチと、ヴォイジャークラス並みのデカさを誇ります。

自らを改造するためにディセプティコンに雇われているというマニアックな設定が示すように、左右の手足は微妙に非対称に造形されています。



実はヴォイジャーオプよりデカいのです。
DXクラスなのに、なんと圧倒的な存在感!



■ BUST UP
長〜い首とタトゥーが入ったような凶悪な面構えは、まるでハリウッド映画に出てくるイカれたアンちゃんそのもの!

鋭い眼は集光ギミック式ですが、パーツの透過度は今一つ。
鶯色に塗られた胸部の中央には金でディセプティコンマークがあしらわれています。


■ デスフック × EMPジェネレータ
昔、ラチェットから奪った医療用のEMPジェネレータとカギ爪を組み合わせた武器。
右腕に取り付けると発振器がパシャっと前方に展開します。


左腕に取り付けることもできますが、展開ギミックは右腕のみで、作動しません。



多分、赤枠内の突起が左腕には無いためと思われます。
やっぱり左腕にはチェーンソーを付けたいですね。



ACTION


首は軸回転のみ。
カット面が斜めに傾いており、独特の表情を演出できます。
肩は上下軸と前後軸の組み合わせで、左右方向にはほぼ水平まで上がります。
肘は前後軸とボールジョイントの組み合わせで独特の動作が可能です。
腰は軸回転。

股関節はボールジョイント、腿の付け根にも回転軸があり、かなり自由に動きます。

膝は、構造的にはもっと行けると思うのですが、なぜか45度程しか動かず、ポージングを制限しています。



POSE





















【評】
秀作揃いのアニメイテッド玩具ですが、その中でも一二を争うのがこのロックダウンではないでしょうか。

アニメイテッドから新登場したロックダウンですが、自らの身体の改造を報酬とするバウンティハンターにして、倒した相手から奪った武器をコレクションするサイコ野郎、というキャラがギンギンに立っており、由緒あるビッグネームが連なるトランスフォーマーの世界にあっても、決して埋もれることはありません。

そのキャラクターを忠実に、いや、それ以上に突き抜けた狂気のスタイリングこそが、このロックダウンをさらに際立たせているように思います。

漆黒のボディに浮かぶグリーンのストライプ、そびえ立つ長身、不敵に張り付いたデスマスクのような刺青フェイス等、とにかく、ビークルモードもロボットモードもカッコいいの一言に尽きます!

惜しむらくは、カラーリングが若干省かれているところ。

腕や膝など、設定画やパケ裏の写真などではしっかりエンジに塗装してある部分が黒のままです。

あとはギミックがいかんせん限られていることでしょうか。

EMPジェネレータは、ラチェットとのストーリーが秘められており、確かに趣深いギミックですが、もう一つ二つ、例えばオートモーフィング的な仕掛けや、劇中で見せたロケットパンチなどもあれば、さらに面白かった。

可動面では、手首が伸ばせない、膝があまり曲がらない等ありましたが、それでも及第点は付けられます。

この中のいくつかは国内版で直してくるものもありましょうが、ぜひ、キャラクター同様、改造に改造を重ねて究極ボディのロックダウンにつなげて欲しく思います。