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VF100's VF-25F メサイアバルキリー 早乙女アルト機 レビュー

2009年 3月購入
■発売元:バンダイ
■価格:5,040円 (本体のみ税込)
■サイズ:全高約16センチ(バトロイド時)


「ファイター」からロボット型の「バトロイド」、そしてその中間形態である「ガウォーク」に3段変形するバルキリーは、数多ある可変メカの中でもその代表格として知られています。

このバルキリーは伝説のタカトク変形トイに始まり、これまでも数々のメーカーから様々なコンセプトで商品化されてきました。

今まで幾つかの製品を手にとってみましたが、「流麗な戦闘機」と「均整の取れた人型」のシルエットを両立させることは極めて困難な課題だったように思います。


2009年の現在、バルキリーのコレクション化に対する一つの答えがこのVF100's(ブイエフハンドレッズ)ではないでしょうか。






基本コンセプトは「一部差し替え」というより「組み替え」変形。

主要部品にはシンプルな変形機構を与え共用化し、プロポーションに関わるジョイントや、翼や機首などディフォルメすべき部分は大胆に別パーツ化することにより、それぞれのシルエットを見栄え良く成立させるという有形ブロックの発展型と捉えました。



■ 共用パーツ


主翼を含むコアボディと脚にあたるメインエンジン、そして腕などが共用です。
シールド以外は、それぞれが簡単な変形機構を有します。

これらを中核にそれぞれのパーツを組み付けて、それぞれの形態を再現します。




コアボディはコクピットがダイナミックに反転する劇中と同様の変形方式を再現。
※差替パーツは取り付けていません。



■ ファイター/ガウォーク用差替えパーツ


垂直尾翼や機首部分を差し替えることにより戦闘機のフォルムを再現。
頭部も替えることにより、ツライチ感もより自然なものになっています。
ガウォーク用のジョイントパーツは軸関節としての役割も兼ねます。



■ バトロイド用差替えパーツ


頭部、腰部は別パーツ化することにより、
適切な大きさとディテールが与えられています。




ファイター





主材質にABSを用いることにより、カッチリとエッヂの効いた戦闘機らしいシルエットを再現。

ストライプやマーキング類も塗装やタンポ印刷を適所に使い、鮮明に描かれており好印象。

造形は全般的に精巧で、模型としてのフォルムはほぼ問題なく思えます。
ただ、メインエンジンの可動部が緩くポジションが今ひとつ極まらない、コクピット後部のレーザー機銃の位置がしっかり収まらないなど、可変部分に微妙な詰めの甘さを感じます。







■ ランディングギア



差し替えでランディングギアの展開状態を再現。
パネルごと交換しなければならないので面倒くさいですが、ディテールは秀逸。



■ キャノピー


キャノピーはクリアパーツで再現
パイロットは乗っていません。
コクピット内部のディテールは今ひとつ中途半端でしょうか。




ガゥオーク


■ FRONTE & REAR



脚部の付け根に専用ジョイントを用いることによりハの字開脚にも対応。




腕を収納した状態も再現できます。




バトロイド


■ FRONTE & REAR


■ BUST UP


小顔で腰高、シャープなバトロイドのシルエットが巧みに再現されています。

プロポーションは差し替え変形を採用しているだけあり、かなり設定に近づいている印象。
とにかくカッコよく、存在感もあります。

脹脛の安定翼など、細かく見ると再現し切れなかった部分もあるようですが、このサイズとしては上々ではないでしょうか。

ゴーグルにはグリーンのクリア素材が使われています。



■ マウラーROV 217C 12.7mmレーザー機銃


バルキリー伝統の装備。
ABS素材(左)と軟質素材(中央)から選択可能。
左右独立で基部から軸回転します。


■ ハワードGU-17A 58mmガンポッド



VF-25の主兵装。
全体が艶消しグレーで塗られていますが、塗装品質はちょっと粗い印象。
ちょっと反り返っていて魚のような感じです。(笑)
通常形態とバレルが展開した形態の2丁が付属。
どちらも持ち手との相性が悪く、しっかりホールドできません。


■ ガーバー・オーテックAK/VF-M9 アサルトナイフ


VF-25共通の格闘戦用装備。
刀身はメタリックがかったグリーンで塗装されています。
シールド裏への格納ギミックはありません。





オプションハンドは手刀、ガンポッド用握り手、アサルトナイフ用握り手、拳骨の4種類が付属します。



■ with 魂STAGE


魂ステージ対応のアタッチメントがバトロイド用、ガゥオーク用の二種類付属。
クリア素材ですが両方とも腿の角度を固定してしまうので用途としては今ひとつ。






ACTION








可変バトロイドとしては良く動く方だと思われますが、ABSボディと同素材の軸やボールジョイントが多いため、保持力がほとんどない箇所もあります。

ポージングもバランスがよければ極まりますが、ほとんどフニャフニャと崩れてしまいます。

せっかく可動域がとってあるのに残念。






POSE




















■ パーツ一覧 (変形用パーツ、オプションハンドを除く)


ガンポッド(通常モード・展開モード・ファイター時接続ジョイント)/アサルトナイフ/レーザー機銃(軟質)/ランディングギア差換用一式/ディスプレイ用ジョイント(ガウォーク用・バトロイド用)


【評】

造形、カラーリングは模型なみで高評価。
各部のマーキングも詳細、特に赤黒のストライプは鮮明で、ファイター形態でも破綻なく連続しており素晴らしく思います。

逆に可動は保持力がほとんどなく、アクションフィギュアとしては今ひとつ。
可動域自体は充分ありますので、何かしらの工夫で劇的によくなる可能性はあります。


変形はプラモと見れば易し、完成品と見れば難し、といったところでしょうか。

実感としては直感的に組み替えることが難しく、やはり厳しく評価せざるを得ません。
脚部のジョイントは頑張って変形機構を組み込んで欲しかったです。
というか、技術的にはむしろココこそが腕の見せ所ではなかったでしょうか。

勢い厳しい論調になってしまいましたが、期待の大きさの裏返しということで。









最終更新 05/03/09